検証実験
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検証実験
背骨コンディショニング 施術前後の自律神経変化
【実験の流れについて】
2017年2月21日、下記の要領(図)で実験を行った。
YKC社製自律神経バランス分析加速度脈波測定器により、心拍変動から自律神経の活動を測定した。被験者は入室後30分以上の安静後、施術前の自律神経活動測定及びVASによる主体的な体調の調査を行った後、写真1・2のように体操(4種目の基本的な背骨コンディショニングによる体操)と背骨を徒手で動かす施術を行い施術直後・30分後・60分後に施術前測定と同様に自律神経活動測定及びVASによる主体的な体調の調査を行った。
【被験者の身体的特性】
被験者は下表1の通り、8名(男性2名・女性6名 年齢37歳~53歳)
【結果】
各指標について
RMSSD(ms)
連続して隣接するRR間隔の差の2乗の平均値の平方根であり、迷走神経緊張強度の指標
Total Power(TP=トータルパワー ms²)
5分間測定における周波数0~0.4Hz(VLF,LF,HF)のパワースペクトルのトータルパワーの計算値です。この値は交感神経活動が主に占める自律神経系活動全体を反映しています。
VAS(Visual Analog Scale)
大変体調が悪いを0mm大変体調が良いを100mmとして体調を数値化する評価法
RMSSD {迷走(副交感)神経の緊張強度の指標}について
8名の平均値では施術前の測定値よりも施術直後・30分後・60分後の絶対値及び施術直後・30分後の変化率の方が有意に高い値を示した。即ち副交感神経の活動が促進されたと言える。
TP(トータルパワー:総自律神経系活動の全体を反映)
8名の平均値で見るとTPの絶対値及び変化率において施術60分後の方が有意に高い値を示した。即ち自律神経活動全体が活性化した事がわかる。
VAS(ビジュアルアナログスケール)
主観的な体調の状態を0mmから100mmまでのスケールで評価
8名の平均値で見ると施術前の測定値に対して施術直後・30分後・60分後の絶対値及び、施術直後・30分後・60分後の変化率全てに有意な差が認められた。
【まとめ】
本実験において、背骨コンディショニングの体操及び施術が自律神経活動に良い結果を与える可能性が示唆された。今後、さらなる臨床的またはそのメカニズムについての解明する研究に期待をしたい。
実験協力
日本体育大学 教授
日本オリンピック委員会(JOC)・科学サポート部門長
日本陸上競技連盟・科学委員会長
杉田正明先生